「ほっぺが赤いけど熱でもあるの?」「酔っ払ってるの?」とあらぬ誤解をされて、嫌な思いを経験して人も多いでしょう。赤ら顔を少しでも目立たなくしようと、あれこれメイク法を悩む人も少なくありません。
でも、皮膚科をはじめとした医療レーザー治療なら、メイクのように誤魔化すのではなく根本的な赤みの原因を取り除くことができますよ。
赤ら顔にはいくつか種類があり、その種類によって行うべきレーザー治療法も変わってきます。
そのため、なるべく早く赤ら顔を解消させたいのなら「自分の赤ら顔タイプは何なのか?」を知ることはとても大切なんです。
代表的な赤ら顔のタイプの特徴と、医療レーザー治療が効果的なのかを表にまとめてみましたので、確認してみてくださいね。
赤ら顔タイプ | 特徴 | 医療レーザー 治療による効果 |
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毛細血管拡張症 | もともと肌が薄い 気温の寒暖差が激しい など | ◯ 健康保険の対象になることも |
肌あれ | 敏感肌 角質ケアのやりすぎ | ◯ |
ニキビ・ニキビ痕 | ニキビを繰り返している | ◯ |
酒さ | 中高年に多い 鼻・眉間・頬にできやすい | ◯ |
酒さ様皮膚炎 | ステロイドの長期使用 | ◯ 脱ステロイド優先 |
脂漏性皮膚炎 | オイリー肌 鼻・額・頬がカサつく 痒い | ◯ |
血管腫 | 赤いホクロ・アザとして生まれつきある | ◯ 健康保険の対象になることも |
ホットフラッシュ | 更年期障害 ほてり・汗・動悸を伴う | × 婦人科にて治療 |
赤面症 | 人前に出るのが怖い・不安 | × 心療内科にて治療 |
毛細血管拡張症とは、肌の奥にある毛細血管が拡張してしまうことで、肌の表面に浮き出て赤みを帯びてしまう症状。
拡張する原因には、皮膚が薄い・肌が白い・気温の寒暖差が激しい・血流を促進させるアルコールや香辛料の摂りすぎなどが考えられ、顔は体のなかでも毛細血管の密集する部位のため、顕著になりやすい。
洗顔後に肌がつっぱったり、角質ケアをやりすぎでテカテカしたビニール肌になってるのが特徴です。
もともと肌が弱く、タオルでゴシゴシ拭いている・角質ケアのやりすぎ・合わないスキンケアをすることで、ヒリヒリしたり赤くなってしまうことが原因。
ニキビができるとで炎症を起こしますが、ニキビ痕がなくならないうちにニキビができて炎症を繰り返すと、うっ血して色素沈着を起こして赤ら顔の原因となります。
乳幼児、成人男性に多く見られる症状で、毛穴が開きがちで鼻・額・頬が乾燥によってカサカサして痒みを伴う。フケが出るのも特徴のひとつ。
皮脂が過剰分泌により、行き場の無くした皮脂が毛穴の中で酸化して、肌に炎症を起こさせている状態。
中高年以降に発症することが多く、鼻・眉間・頬は赤いのに目の周りは白いのが特徴。原因は体質によるものではないかとされているが、はっきりしていない。
軽症時は、日焼け・アレルギーとの見分けがしにくく悪化しやすいのが特徴。人によってはドライアイや涙目・充血など、目にも症状がでてくる場合も。
酒さとは全く別ものでありながら、見た目だけでは判断がつかないほど酷似した症状。しかし、酒さ様皮膚炎はステロイドの慢性的な使用による副作用が原因であり、治療を始める前にステロイドの使用をやめること。
ステロイドをやめると激しい離脱症状(炎症・発疹・膿疱など)が起こりやすいです。
顔だけでなく、体全体がカーッと一気に火照って大量の汗をかくのは、更年期に起こりやすいホットフラッシュの症状。頬〜顔全体に赤みがでます。
これは、血管の収縮をコントロールする自律神経の乱れが原因のため、レーザー治療を行っても意味がありません。皮膚科ではなく婦人科を受診して自律神経の働きを整えるか、不足している女性ホルモンを補うことで解消されます。
対人恐怖症の一種であり、人に注目されることの恐怖・不安から顔が赤くなってしまう症状。体質的な原因ではないため、レーザー治療ではなく精神療法が必要です。
カウンセリングだけでなく、抗不安剤・抗うつ剤・漢方薬などの服用で治療するのがメインとなりますが、まれに交感神経を焼いて赤面を和らげる手術を行うこともあるようです。
以上のように赤ら顔=レーザー治療で治るわけではなく、別の治療法・アプローチが適している場合もあるのです。
赤ら顔治療を行う病院でも、保有するレーザーマシンは病院によって異なるのはご存知でしたか?レーザーマシンはそれぞれ役割が違います。
どれも同じに見えてしまうレーザーマシンの特徴をしっかり把握することで、自分の赤ら顔に適した治療を行う病院を選ぶことができますよ。
赤ら顔治療に用いられることの多いレーザーマシン4機を例に、その特徴と治療に適した赤ら顔タイプをご紹介していきます。
レーザーを点状に照射して皮膚に小さな穴開け、熱エネルギーを与えて皮膚の細胞を再生させるので、皮膚に厚みを持たせ血管が透けるのを予防できます。1回の照射による皮膚の再成率は10〜15%ほど。
施術時間 | 10分程度 |
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施術中の痛み | 多少あり |
術後の痛み | あり |
ダウンタイム期間 | 7日〜10日ほど 一時的にかさぶたができる |
1回の料金 | 2万円〜6万円 |
必要な施術回数 | 5〜10回ほど(1ヶ月おき) |
注意事項 | 皮膚炎・妊婦・過度の日焼けは施術不可 |
フラクショナルレーザーは【毛細血管拡張症】タイプにオススメ
レーザーを照射して皮膚のしたにある深皮層に熱エネルギーを与え、赤ら顔の原因となる毛細血管を消失させます。
施術時間 | 10分程度 |
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施術中の痛み | ほとんどなし |
術後の痛み | なし |
ダウンタイム期間 | 7日〜10日ほど 一時的にかさぶたができる |
1回の料金 | 2万円〜3万円 |
必要な施術回数 | 5回ほど(2週間〜1ヶ月おき) |
注意事項 | 効果がマイルドなため、再発する可能性もある |
ジェネシスは【ニキビ・ニキビ痕】【酒さ・酒さ様皮膚炎(初期)】【脂漏性皮膚炎(毛穴が目立つ)】タイプにオススメ
赤み(ヘモグロビン)にのみ反応する光を照射することで、毛細血管を塞いで目立たなくする。皮膚の奥深くまで届くレーザーのため、赤ら顔改善の効果が高い分、痛みも感じやすいです。
血管腫(ポートワイン母斑・苺状血管腫)だけでなく、赤く盛り上がったケロイドやイボにも効果があります。毛細血管拡張症・血管腫の治療では、3ヶ月おきの条件で健康保険が適応されます。
施術時間 | 10分程度 |
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施術中の痛み | あり |
術後の痛み | 多少あり |
ダウンタイム期間 | 1週間〜2週間ほど 一時的にかさぶたができる |
1回の料金 | 1万円〜5万円 |
必要な施術回数 | 3回ほど(3ヶ月おき) |
注意事項 | 皮膚炎・妊婦・過度の日焼けは施術不可。まれに、水ぶくれ・黒ずみを起こすことあり |
Vビームは【毛細血管拡張症】【血管腫】【ニキビ・ニキビ跡】タイプにオススメ
IPLフォトフェイシャルはレーザーではありませんが、赤ら顔に効果がある治療法のひとつ。赤み(ヘモグロビン)にのみ反応する光を照射することで、毛細血管に熱を持たせて収縮させます。
レーザーに比べ、効果がマイルドなため施術回数が多くなりますが、肌への負担が少ないので敏感肌の人でも受けることが可能です。肌のコラーゲンを増やして、美肌効果を得ることができます。
施術時間 | 10分程度 |
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施術中の痛み | ほとんどなし |
術後の痛み | なし |
ダウンタイム期間 | なし |
1回の料金 | 1万円〜5万円 |
必要な施術回数 | 10回ほど(3ヶ月おき) |
注意事項 | 効果がマイルドなので、敏感肌でも施術可能 |
IPLフォトフェイシャルは【肌あれ】【脂漏性皮膚炎(赤みの強い)】タイプにオススメ
レーザー治療は、医師指導のもと行われる医療行為なので、赤ら顔の改善にも大いに期待が持てますが、治療前に知っておくべき注意点もあります。
まずはいくら効果的といえど、1回の施術で見違える効果を期待しないこと。もちろん、症状によっては1回の施術で満足する人もいるかもしれませんが、適切な回数の施術を行うことが大切です。
選択するレーザマシンによっては顔にかさぶたができることもあります。部位が部位だけに変な誤解されたり、日常生活に支障をきたすこともあります。
治療前にはダウンタイムを含めたスケジュール調整を行うことで、これらのトラブルを避けることができます。
術後は肌がとてもデリケートな状態にあるので、しばらくは紫外線が直に当たらないよう、日焼け止めクリームを塗る・帽子をかぶる・日傘をさすなどの紫外線対策を行いましょう。
紫外線が当たってしまうと、さらなる赤みのある顔になるばかりか、シミ・シワ・たるみの原因になってしまいますよ。
同じ皮膚科といっても、病院によって得意分野・不得意分野というものが存在します。
治療対象であっても、さほど赤ら顔治療の経験がない病院だと医療トラブルも起こりやすくなってしまうので、できることなら赤ら顔治療の実績をもつ大手の病院を選ぶようにしましょう。