今日も痒くて痛い敏感肌、辛いですね。どんな化粧品を使ってもダメ!と思ったときに思い出してほしい事は「肌は今まで食べたものから出来上がる」という事です。
口にしたものが肌を作るなら、食生活を見直せばもしかして敏感肌が改善するかもしれませんよね。実は敏感肌改善のカギは「腸内環境改善・脂肪酸バランスを正す・コラーゲンの生成」という3つのキーワードにあったんです。
この3つを実現して敏感肌を改善する、オススメの栄養素と食材をチョイスしてみました!
まず敏感肌とはどんな現象なのか、知っておく必要があります。肌が外部刺激にさらされ、赤くなったり、痛くなったり痒くなったり、ニキビができたりするのが敏感肌ですが、実は肌の中でいろんな事が起きているんです。
外部刺激というと、とても肌に悪くて何か強い成分を想像してしまいますが、敏感肌が外部刺激と捉えるものは花粉やホコリなど「別に害のないもの」がほとんどなんです。
人間の体にはウィルスなど危険な外部刺激から体を守る免疫機能が備わっていますが、その機能がおかしくなっているとホコリや花粉でも過剰に反応してしまいます。
さらに免疫は体を守るためホコリや花粉へ攻撃するはずが自分の肌を攻撃し、肌荒れを引き起こします。つまり敏感肌はとても簡単に言うと「免疫の調子が悪い」状態と言えるでしょう。
そして免疫が肌を攻撃するとその場所が炎症になります。そのせいで真皮(皮膚の奥のほうですね)を構成していてハリの源と言われているコラーゲンの繊維がズタズタに引き裂かれてしまう事が起こります。
コラーゲンは強くしなやかな繊維状で、肌の形やハリを作る上でとても大切な成分です。コラーゲンが減ってしまうと肌はハリを失いシワやたるみを起こすばかりか、肌自体が薄く、より刺激に弱くなっていってしまう菲薄化(ひはくか)という現象を引き起こします。つまり敏感肌が悪化してしまうんですね。
「免疫の調子を整える・コラーゲンを取り戻す」この2点を助けてくれる食べ物が大切なんですね。
まずこれ以上肌を荒れさせない事が緊急課題、そのためには免疫の過剰反応や自分の肌への攻撃をやめさせなくてはいけません。そこでカギになるのが腸内細菌なんです。
実は2014年、国立研究開発法人理化学研究所が「腸内細菌叢と免疫系との間で(略)双方向制御が行なわれていることを発見」という重大な発表を行いました。
腸内細菌叢とは腸内に住んでいる細菌の群れのこと、簡単に言うと「腸内細菌の群れは免疫とお互いに制御しあっていることを発見しました」という意味なんですね。
実は人間の腸には悪玉菌・善玉菌両方が住み着いていて、バランスをとりあって共存している状態です。この細菌がひしめいている状態を腸内環境と呼ぶ場合もありますね。
つまり免疫が腸内環境を整えもしますが、腸内環境の良し悪しも免疫に影響することがわかったんですね。敏感肌改善のためには腸内環境を整えることが大切なんです。
腸内環境を良くして免疫の調子を整えるには、悪玉菌に押されがちな善玉菌に力を与えることがカギになります。そのために善玉菌として働く乳酸菌の入っている食べ物や、腸にいる善玉菌の餌になる食材を食べることです。具体的にどんな食材が良いのでしょうか。
栄養素 | 食材 | 効果 |
---|---|---|
乳酸菌 | ヨーグルト・チーズ・乳酸菌サプリメントなど | 善玉菌として腸内で働いたり、善玉菌の餌になり腸内環境を整える |
オリゴ糖 | りんご・ヨーグルト・調味料のオリゴ糖など | 腸内の善玉菌の餌になり腸内環境を整える |
グルコン酸 | 蜂蜜・大豆など | 腸内の善玉菌の餌になり腸内環境を整える |
水溶性食物繊維 | アボカド・オクラ・山芋・海藻・大豆・ごぼうなど | 腸内の善玉菌の餌になり腸内環境を整える |
乳酸菌は特に積極的に取り入れたい食べ物です。食べた乳酸菌は腸に居つくことはなく排泄されますが、生きて腸にいる間は善玉菌として働くため腸内環境を整えるのに大きな威力を発揮します。
なので「生きて腸に届く乳酸菌!」というよくあるCMのコピーの通り、生きて腸に届くタイプのヨーグルトやサプリメントなどは効果的と言われています。このように生きた菌を腸に届けてバランスを整えることをプロバイオティクスと呼び、注目の健康法でもあります。
「じゃあ死んだ乳酸菌はダメなの?」という疑問が浮かぶと思いますが、実はそうでもありません。
乳酸菌は死んでいても腸内に住んでいる善玉菌の餌になるので、生きている時ほどではなくても腸内環境を整えるには効果的です。どちらにせよ乳酸菌は敏感肌改善にオススメの食べ物です。
さらにプラスしたい栄養素はオリゴ糖・グルコン酸・水溶性食物繊維など、善玉菌が好んで食べる餌です。食べることで善玉菌に栄養を与えて増やし、腸内環境を整える助けになってくれる栄養素です。
また水溶性食物繊維は水分をよく含んだゼリー状になるため、つるん!とお通じを促してくれる性質があります。食物繊維と言っても水溶性と不溶性があり性質が異なるので注意しましょう。
水溶性食物繊維は豆や海藻、オクラなどヌルヌルした野菜類、ごぼうなどに豊富なので毎日食べたい食材ですね。お通じが良くなることでも腸内環境が整うので、その点でも敏感肌改善に効果的です。
腸内環境を整えて免疫の調子を整えるほかにも、敏感肌・アレルギー・アトピーのいわゆる「かゆみ・鼻づまり・ぜんそく」などを引き起こす物質の値を下げるのが青魚に含まれるDHA・EPAなどのオメガ3脂肪酸です。
人間が生きていくために油は絶対必要な栄養素ですが、同じ油と言ってもいろんな種類があり、そのバランスが崩れることで肌荒れなどの問題を起こすことがあるんです。中でも揚げ物の油やお肉に多いオメガ6系の脂肪酸は現代人が摂りすぎている栄養素とされています。
実はこのオメガ6脂肪酸は免疫反応を高める性質があり、偏って摂りすぎることで免疫の調子を崩し敏感肌の原因になっているのでは?と近年言われ始めているんです。
このオメガ6脂肪酸の働きを抑制してくれるのがオメガ3脂肪酸といわれており、青魚に含まれるDHA・EPAやえごま油、亜麻仁油などなんです。
この脂肪酸同士、ベストバランスは「オメガ3:オメガ6=1:4」と言われていますので、オメガ6脂肪酸を控え、オメガ3をたっぷり摂取することが大切なんですね。
簡単に言うと、脂身の多いお肉や揚げ物を控え、新鮮な青魚を積極的に食べ、調理油をえごま油などに切り替えると敏感肌改善が狙える可能性があります。
魚料理は手間とお金がかかる!という場合もDHA・EPAのサプリメントが出回っていますので、上手に取り入れて使いましょう。
敏感肌のせいで起こる炎症のせいで傷んでズタズタになってしまったコラーゲン、それをまた生成するためには何を食べたいいのでしょうか。
一時コラーゲンゼリーを鍋に入れるコラーゲン鍋やドリンクが流行しましたが、実は食べても消化されてアミノ酸などに分解されてしまうため、食べることではダイレクトにコラーゲンを補給することはできないんです。
それよりも取り入れやすく有効なのが「コラーゲンの材料になるタンパク質・アミノ酸と、生成を促すビタミン」を多く摂取することがコラーゲンを復活させるカギのようです。
栄養素 | 食材 | 効果 |
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タンパク質 | 鶏肉・大豆・粉末プロテインなど | コラーゲンの材料になり肌の回復を助ける |
プロリン・リジン (アミノ酸) | 豚肉・鶏肉・大豆・乳製品・ゼラチンなど | コラーゲンの材料になり肌の回復を助ける |
ビタミンC | パプリ |
まず大切なのがタンパク質です。プロリン・リジンなどのアミノ酸と一緒にコラーゲンの材料になってくれます。材料が揃ったところでビタミンCがコラーゲンの生成を促します。
肌をダメージから回復させるには大切な食材たちなので、毎日の食事に取り入れたいですね。
逆に敏感肌を悪化させるので避けたい食品もあります。敏感肌の原因になったり、改善の邪魔になりがちな食材なので注意したいですね。
栄養素 | 食材 | 控えたい理由 |
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オメガ6脂肪酸 | 肉の脂身・揚げ物の油・脂っこい食事全般 | 脂肪酸のバランスを崩し敏感肌の原因になる |
カフェイン | お茶・コーヒー・エナジードリンクなど | ビタミンCを破壊、コラーゲンの生成を邪魔して敏感肌改善の妨げになる |
アルコール | お酒 | 全身の水分が尿になってしまい、肌の乾燥が進み敏感肌を悪化させる危険がある |
炭水化物 | ご飯・パン・麺など | アレルギーが出やすい栄養素なので、控えると敏感肌が改善する場合がある |
さきほど触れたようにオメガ6脂肪酸は控えないと脂肪酸のバランスが崩れ敏感肌の原因になります。揚げ物やお肉に多く含まれるので、ざっくりと「脂っこいものは控える」という対策が良いですね。
カフェインはビタミンCを壊すので、飲むならそれぞれの時間をずらすなど工夫しましょう。エナジードリンクの常用なども良くないので、生活を見直したいですね。
アルコールは飲むと体中の水分を総動員して尿に変え、お酒を体から出そうとするため乾燥のもとです。肌も乾燥させてしまい、敏感肌を悪化させる危険性があります。できれば控えたほうがいいでしょう。
あと炭水化物にも注意が必要です。炭水化物に含まれるグルテンはアレルギーやアトピーを起こしやすい物質です。炭水化物に偏った食事が敏感肌の原因になることもあるので、たまに食生活のバランスを見直すのも大切ですね。
炭水化物を食べない生活は難しいので「よりグルテンの少ない炭水化物に切り替える・炭水化物以外のおかずを増やす」などの対策が良いでしょう。
特にグルテンは強力粉に多く含まれますので、パン食の習慣のあるひとは一度ご飯に切り替えてみるのも方法です。意外にもこれで肌荒れが軽くなる場合もあるんですよ。
敏感肌の正体はアレルギー体質やアトピー性皮膚炎と同じく、免疫のトラブルと言われています。敏感肌のメカニズムはまだまだ謎が多いですが、腸内環境や脂肪酸のバランスが影響している事が解明されつつあるんですね。
最新の研究に従って免疫の調子を整える腸内環境改善・脂肪酸バランスを整える食事が大切です。さらに傷ついたコラーゲンを復活させるビタミン・アミノ酸・タンパク質も大切です。肌を厚く丈夫に、刺激に負けないよう復活させていきましょう。
ただ、実は難しく考える必要も無いのが本当のところなんです。タンパク質はお肉、水溶性食物繊維は野菜やお味噌、お魚でオメガ3脂肪酸を補給、バランスのいい食生活は自然と肌を整えてくれます。
バランスのいい食事で免疫を整えコラーゲンを復活させ、敏感肌を脱出しましょう!